『
ブラックサイト』(→
公式サイト)はそんな映画。原題は"the untraceable"の様子。天才的な人物がそれを犯罪に使い、FBIと警察が追いかけるが翻弄される、という内容。ヒロインはネット犯罪捜査を行うFBIの捜査官。彼女たちの近辺にまで犯人の手が伸びる。
いくらでも残酷で下世話になる内容ながら、節度ある描写で、残虐性はきわめて薄い。話の運びも丁寧で、映画的には見えない描写を積み重ねる律儀かつ地道なもの。なので絵は地味。
映画的でないと思うが、話の運びは無駄がないので退屈はしない。ただ、なんでその二人がおなじ部屋で寝てるわけ?とか、そんなすぐに被害者が誰だかわかるものなのか?とか、すっとばしている部分もあるので疑問は生じる。が、良くも悪くも地味で地道な話運びであるがゆえ、なんとなく納得させられてしまう。
犯人の動機はそれなりにある。マスメディアやネットを批判し揶揄する動機だが、作品ではそれを大声で叫ぶでもなく、案外淡々。で、犯人の怖さが迫るようなサスペンスかというと、そうでもなく。追跡不能、という題名なわりに犯人の素性は割れるし、その動機が案外普通なので異常性は感じない。しかも犯人はいずれつかまることを自覚している。その辺のおとなしさが作品のスケール感を小さくしているように思う。
見ている間はそれなりに面白いのだが、のめりこむというにはちょっと足りず。そして見終わったあと、それで終わりかよ、というか、なんだそりゃ、それでいいのかというラストシーンで、うーん、エンドロールのあとおまけもないのか。そりゃずいぶんあっさりとしているなぁ。
それなりにまとまったB級作品でした。題材の割りに気持ち悪さは少ないので、デートで見に行ってもセーフな映画です。

